渡邊邸物語

vol.2 夏の終わりに

数日後、その友人から以前から気になっていた家なので見たいと言うご夫婦がいるので会ってほしいと連絡が入りました。
まだ暑い夏の終わりでした。
何も手が付けられていないままの家を汗をぬぐいながら見て回りました。
畳の上もザラザラでソックスや足がが真っ黒になりながら。
それが泥棒騒ぎ後の初めてのお客様でした。
イタリアンレストランまんじゃーれを経営するご夫妻でご自宅からお店までの出勤途中、道路の隙間から見える「渡邊」を見て興味を持っていたそうです。
クモの巣や蚊もいる中で3時間以上は話をしました。
家の成り立ちや亡父の事を熱心に聞いて下さって最後に言って下さったのは「この家を再建しましょう・・・!」でした。
私は若い音楽仲間に以前から古い実家がそのままある事を話していました。
彼らからも見せてほしいと何度も言われ続けていました。
そして9月末に彼らは掃除に行くからとプランを立ててきました。
3人の掃除乙女隊は一気に茶室「雀巣庵」とお手洗いを掃除。
埃まみれになりながらの作業でした。
終わって座りこんでこの家に付いての案が出されました。
デザイナーでもあるYUCCOは頭の中ですでに構想が沸いてきたと言い始めました。
「来年の秋、ここで私の作品展をするよ!」・・・・・。
とてつもない夢のような事を・・・。
(そしてこのご夫妻と掃除乙女隊は強力な応援団となって行きました)

07/22/2010

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