渡邊邸物語

vol.4 2007年 秋

「渡邊邸」は秋を迎えました。
紅葉した木々の美しさは見事でこんなに家の庭は綺麗だったのかとため息が出ました。
それをあまり知らず気にもかけずにいた事に申し訳なさを感じました。

そうだ!人をお呼びしよう・・・。

亡父(順久)は誰でも家には迎えませんでした。
それなりの心得と精通する方しかお招きしていませんでした。
「渡邊」の茶事に呼ばれたらお茶人として認められたと自信を持って下さったと聞いています。
渡邊に招かれたくとも順久から声が掛らなければ誰も入れなかった敷居の高さを私はまず取り払う事にしました。
家やお茶に興味のある方に知り合いであればおいで下さいと声をかけました。
前回のまんじゃーれからのお客様も快くお受けしました。
全部持ち出しでお抹茶を差し上げました。
母は「こんな不十分な事では失礼だし恥ずかしい」と反対の姿勢でした。
確かに綺麗になったとは言え、障子に穴も開き庭の雑草も生えていました。
でもこの家が完璧に再建するには資金も知恵もありません。
とにかく知っていただく事が大事と母の反対を押し切ってのスタートでした。
やがて、口コミで広がり母にも問い合わせの電話が多く掛ってきました。
この年と翌年の春までに来られたお客様は100人を優に超えていたと思います。
(日と時間を調整して家をアトランダムに公開しました)
やがて反対だった母も皆様からの反響を徐々に受け止めてくれるようになっていました。

07/24/2010

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